リフレッシュ休暇で、昨日タイのバンコクから帰国した。三レンチャンのゴルフも楽しかったが、シビレた経験をしたので普段しない食レポを掲載します。
昨年12月にミシュラン・タイが小さなお店に一つ星を付けたが、店主のお婆ちゃんが「名誉だから貰っておくけど、無くても差し支えない」とコメントしたこを、ネットのニュースで知った。
どんなお店か気になり、何度も付いて貰ったガイドさんにこの話をしたら、「物凄く混むお店ですけど行きますか?」と言われ、話の種にもなるのでお願いしたら、お姉さんに四時に行って予約をしてもらい、ガイドさんと我々三人は六時半にお店に到着した。
そのお店JOIーFRAIは下町の一角にあり、クーラーも無い極々普通のレストランだったが、店前には順番を待つお客で溢れていた。
とんでもないのはここからで、まずお店のルールがあり、予約番号を呼ばれた時にその場に居ないと、入店はお断り。お店の前で待つ間に、他のお店の食べ物を買ってきて眼の前で飲食するのもアウト。超強気のお店でだ。実際番号を呼ばれてその場にいなかった客が、後から来て断られ言い訳をしていたが、聞き入れないのを目撃した。
さらにガイドさんから、お店の歴史やお婆ちゃんの話しを聞いて驚いた。屋台の商売から身を起こし、娘二人と従業員は使うが、調理は50年前からお婆ちゃん一人でこなしてきたそうだ。コックを雇うと味が盗まれるのがその理由で、ゴーグルを掛け開店から閉店まで一人立ちっぱなしで調理する74歳のスーパーお婆ちゃんだった。
予約番号の50番が呼ばれたのが、八時。席に着きホークとナイフにお皿が眼の前に置かれたのは、30分後。
そこから更に30分待って、ようやく料理が運ばれてきた。日本では絶対あり得ない、5時間待ちの食事となった。
これで不味かったら最悪だが、一番人気の卵焼きで包んだ蟹肉と味噌のハーモニー、白いご飯に乗せた蟹カレーの味、定番スープのトムヤンクンと言い、全ての食材が新鮮で海老蟹ともプリンプリンで美味しかったが、五時間待って食べる時間は空腹もあってたったの30分で、平らげてしまった。あっけない幕切れに笑うしかないが、それでいて値段も一流レストラン並み。それでいて何故か満足感が。それは私達だけではなく、食べ終わった客は皆満感の笑み浮かべて帰って行った。こなると、ドSが作りドMが食べるといった展開だ(笑)
仰天動地なレストラン経験には、後日談が。
帰国の朝にガイドさんスマホを見せ、タイのテレビニュースであまりにも人気なお店として、このレストランが紹介され、スーパーお婆ちゃんのアップと順番待ちをしているお客としてガイドさんのお姉さんを始め我々五人が、モザイクを掛けてはあるが、映しだされていたと、教えてくれた。
とんだオマケ付きとなったが、仕事柄いい経験になったし、今流行のAIやロボテックスはまるっきりお呼びでない世界を一人で築き上げてきたスーパーお婆ちゃんに、敬意を表したい。