ザグレブの郊外にある荘厳な佇まいのミロゴイ墓地。クロアチアの初代大統領もこの墓地に眠っているが
宗教・宗派そして身分を問わず埋葬できると聞いて、驚いた。
バルカン半島の内戦はもとより、ヨーロッパ全土には権力、民族そして宗教戦争の悲惨な歴史が横たわっているからだ。
にもかかわらず、人種や宗教の壁を取り払って埋葬する在り方に、私はある種の理想郷を見た気がする。
ミロゴイとは「静かに眠る」という意味だそうだが、
国家も人も、まったく争いのない平穏な世界は、死後の世界にしか存在しえないからだろう。





掲載のタイミングが良すぎるが、月曜日から金曜日まで毎日続くかみさんの放射線治療の気分転換と
一足早いお彼岸のお墓参りを兼ねて、父が眠る伊香保の墓苑に車を走らせる。
前回のお参りは、まだ長男の子供と長女の二男は誕生前だったため、めでたく田中家の四代目が産まれたことと
長女も無事次男を出産したことを報告した。
帰りに、時代屋という名前通りの古民家造りのレストランで遅い昼食を。
注文したのは、群馬名産の刺身コンニャクに山芋の磯部巻き、この辺りでは名物らしい峠のモツ煮と
鶏と舞茸の釜飯に水沢うどんの定食。久しぶりに山の幸を堪能する。
伊香保まで来るとリンゴが収穫時で、秋の気配は一段と濃い。
稲穂も頭を垂れてきて、かみさんが目ざとく見つけた大好きな猫の鳥追いが、ここぞとばかりに目を光らせていた。