燎原の火

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伊豆高原に棲家を設けて10年を過ぎたが、700年前から続く大室山の山焼きを始めて見学した。何度もトライしてきたが、前日の雨や雪で毎年のように延期され何度も見逃してきた。今回は三度の延期が逆に功を奏し、タイミングよく見学できた。

一面葦で覆われた大室山は580メートルの単成火山で、4千年前に一度だけ噴火し、その溶岩が相模湾に流れ込み絶壁が聳え立つ城ヶ崎海岸を形成した。頂上には、アーチェリー競技ができる噴火口がある。山焼きはその噴火口の中を焼く通称お鉢焼から始まり、その後麓から火を放つ全山焼にはいる。

お鉢焼は9時半から始まるので、30分間にリフト乗り場に行くとすでに長蛇の列だった。やっとリフトに乗り頂上に着くと、消防団が火口周辺に火を放っていた。

周辺を焼き終えると底から火を放っていくと、紅蓮の炎は勢いを増して駆け上がっていく。まさに燎原の火のごとくで、空をも赤く染めながらアッというまに一面の葦を焼き尽くしていった。

お鉢焼が終わると見学者は全員麓に降ろされ、正午を期して全山焼が始まった。右から左から煙があがり、まるで4千年前の噴火の再現のように煙は空に向かって上っていく。炎も勢いよく頂上を目指し、全山黒焦げの坊主山に仕上げていく。大室山は伊豆のホクロのような姿に変貌し、春を迎える山焼きは終了した。

伊豆は今月半ばに桜の開花が予想され、春本番へ。大室山も何れ緑の衣を羽織った姿に変身するだろう。