恐山の広い駐車場の端に一晩停泊させてもらった。そこは宇曾利湖の湖畔だったが、陽が落ちた湖を囲む山間が急に光りだした。
一瞬ビックリしたが、その正体は月明り。月の出を見るのは初めてだったので、戸惑ってしまったのだ。徐々に月が昇り始めると、その姿は満月となって湖面を照らし出した。
静寂な湖に揺れる月光。背後にある恐山の霊気と絡まり、これまで経験したことのない神妙な雰囲気に包まれた。
筋書きの無いキャンカー旅だからこその瞬間。