台風一過の好天に誘われ、かみさんと当てのないドライブに。国道17号を「暑いぜ熊谷」に向かったが、行田方面の標識を見てフッと懐かしさが込みあがり、ハンドルを右に切った。
足袋の町行田市は歴史ロマンの町でもある。
夕映えの忍城(おしじょう)は室町時代に築城された関東七名城の一つだが、能楽師で俳優の野村萬斎が主演した映画「のぼうの城」の舞台としても有名。
秀吉が関東平定を託した石田三成が水攻めの攻撃をしたが、落城することなく耐え抜いたことから
「浮き城」の別名がある。
車で10分ほど走ると東日本最大の「埼玉(さきたま)古墳群」があり、夕去りの中に浮かぶ二子山古墳もその中の一つ。
5世紀から7世紀末にかけて古墳群が出来上がったそうだが、万葉集に「さきたまの津」という記述があり、これが「さいたま」の地名の由来となっている。
秋の陽は釣瓶落しで淋しさが増す。でも、逆にそれが歴史ロマンを掻き立てる。
私は静岡生まれで埼玉出身ではないが、縁あって上尾に住んで40年近くなった。何処に住もうと当たり前に一人の日本人だが、大袈裟に言えば国家と人の歴史の延長に今が在ることを実感させてくれた。