切っ掛けは、自ら作るものと与えられるものがある。
(自らの切っ掛け)
このダイアリーを開設しなかったら、昨日原爆ドームには行かなかったろう。
今回もそうだが、広島には仕事の関係で何十回と行った。
二十年以上前に、広島勤務の知人のお誘いで家族で訪ねたこともある。
平和公園原爆ドームは、その時以来だ。
別に避けていた訳ではないが
被爆時間で針が止まりしかも溶けかけた柱時計、被爆した人のケロイド状の顔など
資料館の展示物や写真のインパクトがあまりにも強烈すぎて
脳裏を離れないからその必要がなかった。
でも、物質も記憶もいずれ風化する。
そうした意味では、改めてその地に立つことで、記憶の錆を落とすことが出来たし
ダイアリーにも残すことが出来た。
(与えられた切っ掛け)
ドームの帰りに乗ったタクシーの運転手さんから、概略こんな話を聞いた。
この夏は、観光客が沢山来ました。
お盆前後は、他府県ナンバーの車で大道りは渋滞ばかり。
中には、札幌ナンバーもありましたが、一番驚いたのは夕張ナンバーです。
長いこと走っていますが、夕張は初めてでした。
政府が打ち出した景気浮揚策、有料道路一律千円の効果でしょうね。
逆に私は夕張まで行きませんけども、と、話してくれた。
広島の観光と言えば、安芸の宮島平和公園原爆ドーム
従って、若い人達がドームに大勢訪れたと推測できる。
原爆についての知識は、日本人なら当然持ち合わせているし
知りたければネットでいくらでも検索できる。
そうした便利な情報化時代に、わざわざ北海道から広島へと思いがちだが
高速料金が、ならば広島へと、ハンドルを握らす結果となる。
恐らく、資料館とドームを見た若者は、
パソコンの画面やテレビ、教科書から得た知識と違い
私同様リアルなそし等身大の強烈なインパクトを感じたはず。
何時の時代もと言うより、バーチャルな時代だからこそ
実態を目に焼きつけ、心に浸み込ませていくことで、人は成長していく。
臭い話を長々としてしまったが
要はどちらの切っ掛けも、それをステップに人生をより充実させていく方が得策なはず。
経験・体験は、何れ何処かできっと役に立つ。