浅田次郎直木賞作品鉄道員(ぽっぽや)は、主役高倉健で映画化されたが、その舞台となった幌舞駅。実際は、根室本線幾寅駅が使用された。
駅には、故高倉健さんの遺品や遺影が飾られているが、ホームに咲くマーガレットの白がやけに眼に沁みた。この後網走、十和田・八幡平を巡ることにもなったが、奇しくも健さんの作品舞台でもあり、好きだった健さんの面影を追うことになった。
幾寅駅の背後に、落合岳という山が聳える。今から40年ほど前の冬、落合岳山頂の無線中継局の保守に行く電電公社職員を取材に行ったことがある。スウェーデン製の雪上車に同乗し、中継局手前からスキーに履き替え、局に到着した。職員は、中継機器の点検とパラボラアンテナに付着した雪を払うのが任務だった。懐かしさが、込み上げる。
まさに「光陰矢の如し」を実感させてくれる、映画の舞台でもあった。