次女の舞が彼氏と週末泊りがけのキャンプに行っていた。かみさんには日帰りで遊びに来ないかと誘ってくれたようで、二度目のキャンカー慣らし運転を兼ねて、5時半にエンジンをかけて山梨県清里の美しの森へ。
出掛けの雨は、山梨に入るころにはすっかり上がってくえた。
33年振りになる清里。長男が幼い頃に家族三人で八ヶ岳周辺をドライブして以来だ。1938年にキリスト教教育施設として建てられた清泉寮に着き、娘に待ち合わせの電話を入れると話がかみ合わない。なんと私の勘違いで、二人は長野県の美ヶ原にいた。
清里の澄みきった風に浸りながらドライブ疲れを癒し、勘違いした私を慰めてくれたかみさんの提案で、長野県の佐久から軽井沢にルート変更。家並みがすっかり新しくなった国道を、佐久インター目指してひた走った。
佐久の市内に着く頃にはお腹が空きだし、佐久と言えば鯉料理とお蕎麦。運よく佐久らしい草笛と言う名前のお蕎麦屋さんを見つけた。信州蕎麦街道と書かれた青い暖簾を潜ると、目の前で蕎麦打ち職人が熟練の手捌きで蕎麦を伸ばしていた。
注文した新鮮な鯉のあらいと胡桃おはぎに冷たい蕎麦は予想以上の美味しさで、地産地消を掲げる老舗蕎麦屋だけのことはある。お客さんも引きを切らずにやってくるはずだ。
お腹を満たしたキャンカーは、上信越道佐久北インターから軽井沢方面に。少し走ると佐久平パーキングの看板脇にハイウェイオアシスと書かれてあるのを見つけ、二人の好奇心が一致しことで立ち寄ることにした。
駐車場に行くと、山の斜面に沿ってエレベーターが設置されていた。上りきった先には、アスレチックやドックランが出来る公園とスキー場にカブトムシの森がある昆虫体験学習館があった。晴れていたら南アルプスが一望できたのにと思いつつ、孫の優大が好きなクワガタやカブトムシの生態展示がある昆虫体験学習館を覗くことにした。
それと言うのも、清里にいる時に長女の夕紀から電話があり、「今日は自宅にいるの?旦那が海外出張中だから子供達と遊びに行きたい」と。「前の日に電話してくれれば。今山梨県だから」と返事をすると、大いに残念がられてしまったので、もし面白かったら是非孫たちを連れてきてやろうとのジイチャンバアチャンの想いと言うか甘さからだった。
地下にある展示場を見学していると「昆虫好きなんですか?」と年配の愉快そうな男性から声を掛けられた。
名札には「ファーブルおじさん」と書かれていた。すぐにピンときたが、熱心に昆虫の生態などを話をしてくれ、世界で一番綺麗なニジイロクワガタを、まるで美しい指輪をはめるかの様にように、かみさんの指にとめてくれた。
世界で一番大きなヘラクレスカブトムシも掌に乗せてくれたので、ツーショットの記念写真。スマホで撮ったアップの写真は、すでに体験館の裏山にミヤマクワガタが姿を現しているようで、見つけたら獲り放題だと書き込み夕紀にLINE。早速電話があり、案の定優大が興奮した声で「すぐ連れて行って」と、せがんできた。シメシメまた孫と遊べるぞとほくそ笑んだのは、当然のこと。
キャンカーはまた高速を巡航し、軽井沢駅前のアウトレットにその姿を見せる。キャンカーに積むキャンピング用品を買いにコールマンのお店へ。美ヶ原にた娘達とはここで待ち合わせ。一時間ほど他のショップを覗いて時間調整をして合流。
お茶をしながら二人を優大のクワガタ獲りに巻き込み、次の日曜日に実行することになった。舞が食べログで探したイタリアンで楽しく食事をして、その場で解散。480キロを超えるロングドライブだったが、懐かしい風景を目にしたこと地元の美味しい食事を口にして、夫婦の会話が弾んだ。キャンカーのなせる業か(笑)夫婦円満の為にも、頼りがいのある相棒を得たようだ。