無形民俗文化財に指定されている奇祭どろいんきょ。
上尾に住んでもう四半世紀を越えたが、近くで行われているこの祭りを見学したのは、昨日が初めて。
地元の若い衆が担ぐ神輿は、豪華絢爛ないわゆるお神輿と違い、まったく飾りのない小さい神輿。
それもそのはず、あえて泥んこの中で神輿を転がすための造りになっている、
担ぎ手は、幼い頃の泥遊びよろしく楽しそうに神輿を転がし叩きつける。その度に泥が跳ねあがり、
周囲の見学者にも容赦なく泥水が飛散する。
おかげで私も泥だらけになったが、撥ねた泥を落とすことが厄落としになるので、泥をかぶった人達も嬉こぶという奇妙な連帯感が生まれてくる。
家々を練り歩きながら泥遊びにふけ、荒川で神輿を洗い、一休みしてまた神輿を転がしに行くどろいんきょ。
親に叱られることなく好きなだけ泥だらけになれるこの奇祭は、ある意味幼い時の思いを実現させてくれるヤンチャな男の祭りでもあった。