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かみさんのご両親が眠る世田谷区北烏山の永隆寺にお墓参りに行った。
お寺は寺町通りの一角にあり、名前のごとく道の両側にお寺が続く。
身体を寄せ合った可愛いお地蔵さんが出迎え、境内は梅の香りが漂い、静寂な佇まいが故人を偲ばせる。
人が滅するのは、自然の掟。何れ私の番も巡ってくる。
家族が還暦のお祝いを模様してくれた席で、私は骨の一部を散骨してほしいと頼んだ。
死後のことは、家族に託すしかないが、海に流した骨が潮に乗って他国へと運ばれ
5大陸に行った自分の足跡を訪ねていけるかも知れないと、ミョウチクリンな夢を抱いている。
死の恐怖と戦うには、来世を信じることができなくとも楽しい死後を想像することで
それまでを安穏に暮らせるのではないかと、凡人は考えている。