印象派の絵画を集めたパリのオルセー美術館で、ピサロ、モネ、ルノアール、セザンヌなどが描いた絵画に、心を奪われ少なからぬ影響を受けた。
またオランダを代表する画家レンブラントもその一人だ。取り分けロシア・エルミタージュ美術館で鑑賞した「十字架降下」は、強烈だった。十字架から降ろされるキリストに、少年が灯りをかざしていてその灯りがキリストを照らす。暗い絵の中にひと際光る灯りと浮かび上がるキリストの姿が、今も脳裏に焼き付いている。
因みにポートレートを撮る時に「レンブラント・ライティング」と呼ぶ技法があり、人物の鼻筋にたいして上斜め45°から光を当てることで陰影ができ、立体感が強調される。
光を意識して写真を撮るようになったのは、こうした絵画を鑑賞してからだが、光は美しさをより強調したり、対象を浮かび上げてくれたりする。まさに光のマジックだ。
これからも光を意識して「光芒」と題した写真を撮り続けていくことにしたい。