広島は、小振りだが雨だった。
駅から乗ったタクシーの運転手さんが、まだ梅雨時のような天気が続いていると。
仕事を終え市内に一泊した。翌朝ホテルの部屋の窓には水滴が付き遠くの山は霞んでいた。
平成26年8月豪雨」の災害から日が浅く、月曜日の朝ようやく被災地の可部行の電車が開通したと耳にした。
15時に名古屋でアポがあるので午前中は時間が空いていた。どうしようかと迷ったが、可部行の電車に乗り込み安佐南区上八木駅に向かった。
死者72名行方不明者2名を出した惨事を物見遊山に行く積りは毛頭ないので、上八木の駅前に立ってUターンしたが、現場の地形を目に焼き付けたかった。
地元の人に話を聞いたが、昔は線路脇に家があるだけだったが、山の中腹にも道路が通り家が山に向かってどんどん建って行ったと。
広島の発展と平地の狭さが山際までの開発に繋がっていったのは仕方ない事なのだろうが、線路まで水に浸かり電信柱の下には、まだ土豪が残されたままだ。
被災地まで足を伸ばさなくとも、せりあがる山並みを見ているだけでニュースで見た映像が甦ってくる。
深夜のしかも短時間の集中豪雨でこれだけの災害をもたらすとは、地元の人は想像だにしなかったし地盤も固くまさかと思ったとのコメントも耳に残っているが、実は他人事では無いので上八木に行った。
と言うのも、伊豆高原の終の棲家が、土砂災害避難地域に指定されてしまった。
家の前の通りを隔てて小高い山があり、中腹を旧道が通っている。地盤は火山岩で強固。地元の人は地震やがけ崩れは心配しないで良いと太鼓判を押してくれていた。
そうした意味では、今回の被災地と状況が似ており、もし棲家で豪雨にあったら避難のタイミングと避難場所を頭に入れておく必要があったのだ。
災害は、忘れたころにやってくる。