二年前に建て替えられたベトナム戦争証跡博物館。
以前の方が古びた家屋だった分、戦争の悲惨さと生々しさがヒシヒシと伝わってきたが
これもまた、時代の流れなのだろう。
現に、ベトナムの若者が博物館に来てその歴史と向かい合っても
現実の生活の中では、話題にも上らないそうだ。
我々日本人も、戦場カメラマンとして「安全への逃避」で、ピュリツツアー賞を受賞し
カンボジア国境で命を落とした澤田教一氏のことや
銃弾がカメラに当たって命拾いをしたが、その後カンボジアに渡り
アンコールワットで消息を絶ったカメラマン一ノ瀬泰造氏。
「地雷を踏んだらさようなら 」という自伝的映画も上映されたが
大方の人が、もはや記憶を辿ることすらないのでは。
それが幸せの証ではあるが、一方でテロの恐怖に怯えて暮らす人達がいる国もある。
人の賢さ。人の愚かさ。人の醜くさ。
人の正義。人の勇気。
何を正解とし、何を失敗をとするかは、時代が決める瞬間がある。