スラム街に住む少年が、クイズで一攫千金を得るインド映画
スラムドッグ&ミリオネアがアカデミー賞を受賞したのは、記憶にあたらしい。
そのスラム街に足を向けたが、中が迷路になっているので、
同じ道を行って帰ってくるだけにしてほしいと、ガイドさんから注意を受けた。
スラムの入り口にコマを回す少年達がいた。
私も、幼い時はコマ回しに熱中したし、駄菓子屋にもよく通った。
スラムに目を凝らすと、なんてことはない日本の古き良き昭和がそこにある。
貧困なんてクソ食らえ的な、ヤンチャで逞しく笑顔の耐えない子供達に
自らの少年時代とオーバーラップして、懐かしくさえ思えてきた。
豊かさの中に埋もれた今の日本の子供達に笑顔はあっても
スラム街の子供達のようなハングリーな生活は、見受けられない。
貧困からのキャッチアップは、国も個人も満足感が漲ってくる。
初めから豊かな生活で、それが当然のように育って行くと
感謝や感激が薄れ、国も個人も活力が停滞してしまう。
得る物があると、必ず失う物があるからだ。
インドの旅は、自分の原点を思い起こさせてくれる切っ掛け作りの旅でもあった。